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新生戯曲展 くりかえし

作品紹介

カメラ1台、編集なし、ノーカット、無言劇となります。

新生戯曲展 くりかえし
出演:鈴木瑠璃夏
作・演出:宇里香菜

私の事 忘れて
きっと数年経てば記憶も期限付きの情報の様に消えて逝く

向こう側が見えていたら緊張しなくて済むのに
誰も傷つけない真実なんて無い
どちらから見た正義なの

昨日も今日も明日も意味不明な言葉が氾濫して手を突っ込んだら
全身時限爆弾だらけにされて
それでも無理矢理生かされて
掌にひとつぽつんと置かれた優しい薬なんて

飲み込んだら楽になれるなんて幻想だって分かっているのに
ひと思いに握り潰してしまえばいいのに
笑って別れを求め過ぎた結果
いつの間にか無駄になった思考

溜め込んだ憎悪を軽々持ち上げて思いっきり突き落される
哀しいなんて思うのは自由
だから

私の事 忘れて
きっと希望も絶望も同じ線上に並んで仲良く後ろ向いて

ここから一歩進めば一緒どこからどこまでも一緒
向こう側が待っているって思ったら
正義を振り翳して飛び込む

散り散りに弾け飛んだ光も声も音も想いも夢も
鈍く仄暗い轍が生温い泥で埋まって逝く

ずっと前に見た幼い夢の続きのよう

忘れないで

新生戯曲展 イロドリイロノイロ

作品紹介

新生戯曲展 イロドリイロノイロ
出演:鈴木瑠璃夏
作・演出:宇里香菜

声を描けたらドキドキも素敵なキラキラになるかな
ピンクに染まる空に架かる虹を見上げて

河川敷を急いで繋いだ手から伝わる温もりはオレンジ
隣にいるって感じるだけなのに嬉しくてこれって泥沼

歌もダンスも演技も気持ち好いタイミングが誰にだって
だから乗ったの今だ此処だってネオンに紛れて

魔法のチャンスは一回だから間違えないようにエフェクトかけて
成功したら味をしめちゃいそう濃度も高めのワインで

真っ暗の帰り道スポットライト浴びた女優のように
誰だってそんな瞬間あると思うの勝手だって構わないの

画面に映る言葉の意味を深読みして探りの一言
くるくるシーツを纏ってギュッと抱き締めてひとり眠るの

目覚めはいつだって無理ゲーの後の様な重い頭振って
夢だって良いからドキドキに囲まれて過ごしたいの

新生戯曲展 みえない

作品紹介

カメラ1台、編集なし、ノーカット、無言劇となります。

新生戯曲展 みえない
出演:鈴木瑠璃夏
作・演出:宇里香菜

私の声が
あなたの声が
遠くなる
聞こえなくなる

自分ばかり
知らず知らずのうちに
天秤にかけていた
私ばかり

この人生が終わり次に始まるまでの夢の中で
現実を真実に縫い付けられて
隠されたままの時間ばかりが私の中へ消えて逝く

本当の私を探しているはずなのに
ここから逃げ出さないと
見失ってしまう

分かっているはずなのに
知っているはずなのに
どれもこれも全部
私じゃない

どれだけ逃げれば逃れられるの

聞こえないふりして(いるの)

頭の中が読まれている
心の中が見透かされている
私の声が聞こえている

(みんな)聞こえないふりして

(みんな)笑っている

新生戯曲展 お裾分け

作品紹介

カメラ1台、編集なし、ノーカット、無言劇となります。

新生戯曲展 お裾分け
出演:鈴木瑠璃夏
作・演出:宇里香菜

普通に生きるってどういうことなの
楽しそうに笑っていればっていいの
悩みをすべて取り除いたら幸せになれるの

誰も分からない不幸な過去を大切に抱き締めて
何かあれば盾にして可愛い自分を守るくせに

揺らいでいる鼓動も行動も抱き締めて欲しくて
怖くて苦しくて繋いでいたのに振りほどいて
勝手な妄想を叩きつけて振り返るのが許せなくて
ずっと独りで生きて行けるはずもなくて
助けて

言わない言葉と描かない文字
声に出来ないことばかり積み重なって
背負えなくなってまた逃げてしまう
動かない筆が素敵な色を探しているのに
結局変わらない
いつまで経っても変われない
いつかこのまま朽ち果てて逝くだけなの
助けて

普通を求められて産まれた瞬間から背負わされた十字架
いつしか減り込んで同化して灼ける痛みと好奇の視線に耐えて必死に
悩みをすべて取り除いたら幸せを感じられるの

笑っている瞬間でさえも恐怖に支配されている
無意識のうちに探している私の中の不幸たち

誰も分からない知らない人生の終わりの次の日
そこから初めて始まる人生を知っていたなら誰も
意識しなくても困らないのに

助けて

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